2012年08月02日

映画「おおかみこどもの雨と雪」

映画「おおかみこどもの雨と雪」を見てきました。
おおかみおとこを好きになった女性・花が、彼との子ども2人を産み
彼に先立たれた後、おおかみの血をひく子どもたちを育てていくお話です。

いろんな見方があると思いますが
私は、この映画を「異類婚姻譚」と受け取りました。
神話や昔話などでよくある、異なる種類の存在と人間が結婚するおはなしです。
鶴女房や雪女、天の羽衣、遠野物語の「おしらさま」など、たくさんあります。
日本神話によると、神武天皇の母方の祖先は海神の娘(ワニ)です。

古来、さまざまな「異類婚姻譚」が言い伝えられてきたということは
いにしえの人々は、異界や異界に住む存在をより強く感じてきたのでしょう。
異界との境が、今よりもずっとあいまいだったのでしょう。
ときには、交わり合うぐらいに。

日本では、山は神がおわすところ。山は聖なる異界でもあります。
おおかみは神のお遣いとして祀られることもあります。「大神」にも通じます。
花が好きになるのが「おおかみ」おとこというのは、
なかなかいい設定だなぁと思いました。
おおかみおとこには名前がありませんでした。「彼」と呼ばれていたのみ。
こちら側の世界で使われていた名が明らかになっていないのも肯けます。

おおかみおとこを好きになる花は、
こちら側の世界と異界の「境界線」があいまいな人なんだなぁと思いました。
魚座海王星時期の映画だなぁと、つい思ってしまいました。
花は、一見弱々しく、何も考えていないように見えるけれども
異界から来た存在をそのまま受け入れ、愛せるぐらいに強い。

そういえば、花が
「こどもたちが将来『人間か、おおかみか』どちらでも選べるように」と
移住した田舎の家は、山からも里からもある程度離れていました。
「異界」である山と、人が住む里の「境界」にある設定でした。
あの家なら、子どもたちはいつでも帰りやすいだろうなぁ。

そういうわけで、私はこの映画で
■自分が属している世界の「境界線」をあいまいにして、異なる世界観の人とつながっていくこと
■互いに異なる世界観の「境界」にいること
■いろんな世界をゆるーく行き来するために、あらゆるものを超えること
■そのためには、何よりもまず自分自身を超えること
・・・について、いろいろと考えたりしてました。

※移住先の田舎は、細田守監督の故郷である富山県がモデルだそうです。
富山県の山といえば、立山です。
立山は日本三霊山のひとつ。まさに聖なる異界です。
もう7〜8年前になりますが、富山へ旅行に行ったことがあります。
「立山博物館」で立山信仰を勉強したり、立山曼荼羅を見たりしました。
また行きたいなー。おすすめです。
「立山博物館」http://www.pref.toyama.jp/branches/3043/home.html
「立山信仰と立山曼荼羅の解説」http://www2.ocn.ne.jp/~tomoya1/
posted by 加藤まや at 00:55| 日記 | 更新情報をチェックする